巷のグルメの皆さんがよく言うのは「産地で食べるのが一番美味しい。それよりなにより産地は安い!」

確かに食べ物の場合はその情報は正しいと言えるでしょうが、ではこれが宝石ならどうなのでしょう?

 

キングオブジュエリー・ダイヤモンドはやはり日本で購入するよりも産出国である南アフリカのほうが何倍も安く手に入れられるのでしょうか?

それともやはり世界中どこに行ってもダイヤモンドはダイヤモンド、それなりのお値段がするものなのでしょうか?

 

ということで今回は海外(南アフリカ)のほうがダイヤモンドを安く手に入れられるのか?ということを考えてみたいと思います。

ダイヤモンドの産出国なら日本よりも安く買えるのか?

世界で一番価値があり高価な宝石と言えば、今も昔もダイヤモンドです。

貴金属同様にダイヤモンドには専門の国際相場があり、日々刻々と相場が動いています。

 

産出国だから、南アフリカだから、ということでとても安いということはあり得ません。

相場があるということは世界中のどこでダイヤモンド(ルース)を購入しても価格はほぼ共通ということです。

 

現在ダイヤモンドの産出国は以下の順になっています。
1、 ロシア
2、 ボツワナ
3、 コンゴ
4、 オーストラリア
5、 カナダ
6、 アンゴラ
7、 南アフリカ
8、 ジンバブエ
9、 ナミビア
10、 シエラレオネ
(2015年データ 出典元 GLOBAL NOTE)
*参考サイト
産出国のうちアフリカ諸国の割合が多いことがわかります。

またアフリカ産のダイヤモンドは高品質でカラット辺りの単価がとても高いということでも有名です。

ダイヤモンドとアフリカ諸国

世界有数のダイヤモンド鉱山を所有するアフリカ諸国ですが、美しいダイヤモンドの輝きの裏には今も続く負の歴史が存在しています。

それはダイヤモンドの原石が紛争地域の武装勢力の資金源となっていることです。

 

しかもこのダイヤモンドの採掘のために多くの人々が過酷な強制労働をさせられていると言います。

俗に「コンフリクトダイヤ(紛争ダイヤ)」とも「ブラッド・ダイヤ」とも呼ばれ、紛争の内幕がハリウッドで映画化もされました。

 

コンフリクトダイヤモンドを防ぐ目的で2003年からはキンバリー・プロセス証明制度(ダイヤモンド原産地証明制度)が導入され、違法に採掘されたダイヤモンドを国際市場から排斥する動きが起こっています。

日本もこのキンバリー・プロセス証明制度に参加しており国内には
コンフリクトダイヤモンドはないと言われています。

南アフリカでダイヤモンドを買ったら?

実際に仕事の都合でアフリカに駐在しているサラリーマンさんのブログによると、お土産にダイヤモンドのネックレスを買いに行ったところ「当初の予想を裏切り結構いい値段がしたのでビックリした」そうです。

 

ダイヤモンドジュエリーの場合、ルースの値段+地金の値段+デザイン料+ブランドのあれこれなどが加算されるので価格の比較は難しいのですが、やはり産地だから安いわけではなくいいものはそれなりのお値段がする、ということのようです。

 

ダイヤモンドの加工が盛んな国ではどうか?

ダイヤモンドの加工が盛んな国と言えばベルギーです。

古くからダイヤモンドの取引所が集まっており、加工も盛んです。

 

現在世界中のダイヤモンド原石の85%ほどがベルギーに集まると言われ、ダイヤモンド取引所界隈は「ダイヤモンド街」としてにぎわっています。

そこで気になるのが世界中のダイヤモンドが集まるベルギーであれば安く買えるのか?ということですよね。

 

結論からお伝えしますと安いダイヤモンドは品質も期待できない、高いダイヤモンドは品質はいいが価格的には日本で買うのと大差がない、
旅費や税金を考えると日本で買う方が安い可能性もある、です。

 

さらに多くのダイヤモンド販売店の中から本当に品質と価格のバランスが取れているジュエリーを見極める「目利き」力も求められます。

安すぎるダイヤモンドは本物でも注意が必要である

安い、安すぎるほどに安いダイヤモンドは本当に本物なのでしょうか?

宝石として価値があるダイヤモンドは天然ダイヤモンドです。

 

成分上は人工ダイヤモンドも本物と言えますが宝石的な価値は今のところほとんどつきません。

また仮に本物のダイヤモンドでも本物というだけでは価値がありません。

国際基準である4Cを満たしていますか?

 

さらに先ほど伝えた通り、キンバリー・プロセス証明制度に沿ったダイヤモンドでしょうか?

ダイヤモンドの国際相場はネット上でも確認できます。

あまりにも相場とかけ離れているような価格の場合はリスクを含め安い理由を明確にした上で購入を検討したほうがいいでしょう。

海外で個人でのダイヤモンド入手は困難である

2018年現在、日本には世界中から宝石商が集まっています。

それは日本経済のデフレが続いていてバブル期の宝石が多く市場に出回っているためです。

 

結果としてダイヤモンドの価格は日本が今、一番安いとされています。

一方、海外で個人的に購入する場合には治安などのリスク。

 

交通費や滞在費の負担、まがい物などを掴まされない確かな目、現地の宝石事情に明るい人材の確保などクリアしなければならないことも多くあります。

専門家でない限り海外で個人的にダイヤモンドを日本よりも安く入手するのは難しいと予想されます。

ダイヤモンド以外の宝石ならどうか?

ほとんど宝石が取れない日本に比べて豊富な産出量や安く加工できる人件費などに焦点を当てた場合は海外の方が原石を安く入手できる場合もあります。

ただしほとんどの場合は組織的な取引をしているのでいきなり個人が出かけて行って原石を入手できるかは疑問です。

 

また原石の状態では本当に価値のある宝石になるのかどうかの見極めも必要ですし、そもそも見ず知らずの外国人に売れる程度の原石という考え方もできます。

さらに海外で個人的に入手する場合に一番懸念されることはアフターケアが全くない点です。

 

ジュエリーに不具合が生じたり壊れたりしても何の保証もありません。

宝石が模造石だったとしても帰国後ではどうすることもできません。

 

ジュエリーの場合は地金の品質も確かめようがないので中には海外で入手したジュエリーが原因で金属アレルギーを発症したケースもあります。

否定的なことばかり並べてしまいましたがやはり海外と日本では宝石に対する考え方なども異なるので事前によく調べた上で判断された方が賢明です。

まとめ

いかがでしたか?

南アフリカだからと言ってやはりダイヤモンドはお安くないということがご理解いただけましたでしょうか?

 

さすが宝石の王様ダイヤモンド、世界のどこの国だって高い・・・という変な納得をしてしまいます。

(買えるかは別にして)高いほうがダイヤモンドらしいですしね。

 

ダイヤモンドも含め宝石を購入する場合は安心できるお店で安全な製品を、ということですよね。

 

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