宝石を愛する人たちの間では「夏のルビー・秋のサファイア」という言葉があります。
ルビーは紫外線を浴びるとより鮮やかに発色することから夏にふさわしく
サファイアは他者からの嫉妬や妬みを浴びることなく神の祝福を得られることから実りの秋がふさわしいとされています。
この言葉が示すように同じコランダムという鉱物に属しながらルビーとは好対照な印象のサファイアです。
今回はサファイアにまつわるお話です。
サファイアとはどんな宝石か?
サファイア
硬度 9
色 青、黄色、緑色、紫色、オレンジ色、無色透明など
誕生石 9月
石言葉 慈愛、誠実、崇高、深い海
サファイアの語源はラテン語の「sapphirus青」です。
和名では「青玉」といいます。
サファイアの色と言えば青色を思い浮かべる人が多いと思います。
ところがサファイアとはルビーを除いたコランダムすべてを表す言葉であり、つまりは赤い色以外のコランダムは全部サファイアなのです。
ちなみにルビーでも色の淡いものはピンクサファイアと呼ばれています。
サファイアは古来、精神の再生をもたらすと信じられており「哲学者の石」「聖人の石」として聖職者の指輪などに好んで使用されてきました。
またサファイアはルビーと違って大きな結晶が出やすく、1970年に大阪万博で展示されたサファイア「東洋の青い巨人」は486カラット、世界最大のサファイアは1948年にオーストラリアで産出された1958カラットのものという記録があります。
サファイアの特徴とは?
サファイアの特徴は多彩なカラーバリエーションです。
青色以外のサファイアはファンシーカラーと呼ばれ愛されています。
何色であっても色味が深く鮮やかに発色しているものほど好まれます。
サファイアの中でも人気が高いものを以下に紹介します。
① コーンフラワーブルー
カシミール産の濃青色のサファイアであり「矢車草」の青色を持つ。
別名カシミアンブルー。最も希少性が高く高価なサファイア。
② ロイヤルブルー
ミャンマーで採掘されるサファイア。カシミアンブルーに次いで価値が高い。透明感はロイヤルブルーのほうがある。
*日本の鑑別書ではミャンマー産と確定しなければロイヤルブルーの記述はできませんが、海外の鑑別書ではミャンマー産以外であっても一定以上の青色であればロイヤルブルーと記載されています。そのため海外の鑑別書の場合はロイヤルブルーでも産地がミャンマーとは限りません。
③ カワセミブルー
スリランカ産のやや紫がかったサファイア。世界中で最も流通しているサファイアであり、カシミアンブルーに劣らない品質です。
④ パパラチアサファイア
ピンク色とオレンジ色の中間色のサファイア。非常に産出量が少なく、最高級のサファイアとされている。なおパパラチアとはスリランカ語で「蓮の花」の意味。
⑤ ゴールデンサファイア
黄色のサファイアの中でも最も色が濃く、オレンジ色と褐色の中間色をしている。
採掘されることが極めて珍しく高価な値がつく。
サファイアの価値とは?
サファイアの価値は色と産地で決まると言ってもいいほどです。
先ほど紹介したようにどこで採掘された石でどんな色味かが評価されます。
またルビー同様に加熱と非加熱の石があり、非加熱のサファイアは希少性が高く非常に高額で取引されます。
サファイアの買取相場
サファイアの買取価格は買取業者によって大変に幅があります。
産地の特定や品質、加熱か非加熱かの見極めが難しいためです。
参考までにルース(裸石)・1カラットの買取価格をご紹介します。
ブルーサファイアSクラス25,000円Aクラス12,500円
パパラチアサファイアSクラス60,000円Aクラス35,000円