涼しげな青色が印象的なアクアマリン。
その透き通った美しさからアクアマリンは「人魚の涙」からできていると信じられ、水夫たちがお守りにしていた時代もあります。
今回はキラキラとした輝きが海の水面を連想させるアクアマリンのお話です。
アクアマリンとはどんな宝石か?
アクアマリン | |
硬度 | 7,5~8 |
色 | 淡青色 |
誕生石 | 3月 |
石言葉 | 聡明、沈着、勇敢、幸福に満ちる |
アクアマリンの語源はラテン語の「agud水」「marive海」であり、和名では「藍玉(あいぎょく)」と言います。
その名の由来が示す通り、透き通った美しい海水のような青色をしています。
ヨーロッパの宮廷では夜の舞踏会などでこのアクアマリンが大層人気だったそうです。
というのもアクアマリンは別名「夜の宝石」とも言われ、夜の灯りの下では昼間以上にキラキラと輝きを増すからです。
また宝石好きとして有名なロシアのエカテリーナ二世は特にこのアクアマリンを好み、自らの鉱山から採掘されたアクアマリンで数多くのジュエリーをあつらえたと言われています。
そんなアクアマリンはエメラルドと同じベリル(Beryl)という鉱物です。
正確には「緑中石」という宝石の変種になります。
市場の相場価格としてはエメラルドよりずっと安く、それでいて美しい輝きを放つため指輪やネックレストップとして高い人気がある色石です。
いわば兄弟のようなエメラルドとアクアマリンですが、エメラルドが世界4大宝石なのに対しアクアマリンはもう少し身近な宝石であり、お値段も比較的安価な傾向にあります。
アクアマリンの特徴とは?
同じベリルのアクアマリンとエメラルドですが、エメラルドには「石れい」と呼ばれる内部の傷があり、アクアマリンは無傷で大粒のものが多い傾向にあります。
主な産地はブラジルやナイジェリア、モザンビークなどです。
アクアマリンの主な生産地
・ブラジル
・ロシア
・アフガニスタン
・パキスタン
・インド
大粒のものがよく採れるアクアマリンですが、1910年にはブラジルで
110キロもの原石が採れたという記録があります。
ところで青色以外の色味のアクアマリンに400~450度の熱を加えると美しい青色になります。
また一度青色になったものは二度と変色しません。
やはりアクアマリンには美しい青色を求める傾向が強いため、市場に出回っているアクアマリンのほとんどが熱処理をしています。
このことがアクアマリンをリーズナブルな価格で購入できる理由とされています。
好みの問題でもありますが宝石をよりきれいな状態で楽しむための加熱処理であり、一概に加熱だからレベルの低い石ということではありません。
ちなみに天然ではない合成アクアマリンも技術的に製造は可能です。
ですが、製造コストと採算のバランスが悪いため、市場では「合成アクアマリン」と言いつつ、じつはアクアマリンと似通った色の「合成スピネル」であるケースも多いとか。
アクアマリンの価値とは?
アクアマリンを評価するポイントは以下の通りです。
- 透明度が高く傷がないこと
- 石にボリューム・厚みがあること
- 濃い青色で輝きが強いこと
特に色が濃くて最高品質のアクアマリンは「サンタマリア」または「サンタマリア・アフリカーナ」と呼ばれています。
大粒のものほど評価されるアクアマリンですが「サンタマリア」または「サンタマリア・アフリカーナ」だけは、小粒であっても高額な取引の対象になります。
アクアマリンの買取相場
アクアマリンのルース(裸石)での1カラットの買取相場
Sクラス5,000円 Aクラス3,500円 Bクラス2,500円