海から生まれた世界最古の宝石とも言われる「パール」。
ヨーロッパでは娘が誕生すると誕生日ごとに一粒ずつパールを購入し、成人した時にネックレスにして贈る風習があるといいます。
ブライダルジュエリーには純潔や良縁の象徴であるパールは欠かせません。
また故人との悲しいお別れの時にも唯一身に着けることができるジュエリーがパールです。
このように女性の人生の傍らには常にパールがあります。
他の宝石に比べるとパールを持っている女性の比率はかなり高いと思われます。
ところで皆さんはパールの正しいお手入れ方法などをご存知ですか?
正しくお手入れすればパールはずっと輝き続ける宝石です。
それではパールについて見ていきましょう。
パールとはどんな宝石か?
パール | |
硬度 | 2,5~3,0 |
色 | 白、クリーム、金、銀、黒、ピンクなど |
誕生石 | 6月 |
石言葉 | 純潔、清潔、素直、長寿 |
パールの語源には諸説ありますがラテン語の「perna」二枚貝という意味からというのが有力なようです。
和名は「真珠」です。
パールと人類のつきあいは非常に古く日本では邪馬台国から魏(中国)に5,000粒の真珠が贈られたという記録が残っています。
また日本書紀や万葉集にも頻繁に真珠が登場しています。
古代の王朝ではパールは富の象徴として王家や上流階級の人々に愛されていました。
クレオパトラが砕いた真珠をワインに入れて飲んだという話は有名です。
これは美容のためというよりも国家の富であるパールを飲めるほどエジプトの国力は強いということを見せつけるためだったようです。
古代の中国ではパールを眼病、心臓病、胃腸病、発熱などに対する医薬品として使っていました。
このほかにも世界各地にパールにまつわる話は数えきれないほど伝わっています。
いかにパールが長い間人々に愛され続けているかがわかりますね。
パールの価値とは?
パールには皆さんもご存知のように天然ものと養殖ものがあります。
天然パールと養殖パール
天然のパールは二枚貝の中で何年もの月日をかけて作られますが、近年では地球温暖化で海中の環境も変化しているため天然のパールへの影響も危惧されています。
しかも海中にあり採取が容易ではないこと、必ずしもパールが貝の中にあるとは限らないこと、など安定した供給は難しい宝石と言えます。
パールの養殖は1893年(明治26年)に御木本幸吉氏によって世界で初めて成功しました。
御木本氏は「世界中の女性を真珠で飾りたい」との思いから養殖に取り組んだと言われていますが120年以上経った現在、御木本氏の願いは叶ったといえるほど養殖真珠は世界中で愛用されています。
*参考サイト
https://www.mikimoto.com/jp/125anniversary.html
天然パールと養殖パールはどちらが高いのか?
天然パールと養殖パールは成分が全く同じ宝石です。
自然界でパールが作られていく過程を人為的に再現したのが養殖であり、品質が劣るということは一切ありません。
むしろ養殖パールが出現したことで天然パールの価格が下がったこともあるほどです。
品質が同じなのですから天然パールと養殖パールの価格に差はないと言えます。
パールの評価基準
パールには他の宝石の評価基準である4C(カラー・カラット・カット・クラリティ)が全く当てはまりません。
パール独自の評価基準としては「真珠層の品質・色・光沢・形・表面のキズの程度・マッチング(連相)」があります。
パールの手入れや保管方法
パールはとても柔らかい宝石です。
それゆえキズがつきやすいので保管の際には必ず他の宝石と分けて保管することが大切です。
また保管する際にプラスチック製の袋や箱は使わないようにしましょう。
プラスチックから出る化学物質がパールの表面を変質させる恐れがあります。
*参考サイト
http://4cs.gia.edu/ja-jp/blog/6%e6%9c%88-%e8%aa%95%e7%94%9f%e7%9f%b3-%e7%9c%9f%e7%8f%a0/
日頃のお手入れはとにかく身に着けたら柔らかい布で優しく拭くことです。
パールは水の中で育った宝石ですが水洗いには適しません。
水の他には酸や熱にも弱い性質です。
どうしても汚れが気になる時は宝石の専門店などでクリーニングをしてもらいましょう。
パールの買取相場
パールの買取で高値がつく条件には以下のようなものがあります。
・サイズ 9mm以上
・形 真円(球)に近いもの
・色 アコヤパールはピンクがかった白色
ピンクやゴールドは希少価値が高い
・キズ キズの場所やキズの大きさを見る
キズが少なくて小さいものほど良質
一般的な買取価格は指輪で30,000円~、ネックレスで100,000円~とされていますが品質やその他の条件次第で価格には幅があります。
*参考サイト
http://www.gem-prch.com/pearl_souba/
また真珠一粒の場合は同じ大きさでもグレードによってかなり価格に幅が出ます。
ちなみに7,0-7,5mmのアコヤパールの場合、グレードが一番高いもので一粒19,000円、一番低いもので3,250円です。
*参考サイト
http://www.wsp.ne.jp/fs/pearls/c/28
「宝石買取の世界・パール」のまとめ
いかがでしたか?
今回お伝えした中で特に気をつけたいのがパールの手入れや保何方法についてです。
パールは思っている以上にデリケートな宝石です。
正しくお手入れをして一生つきあっていきましょう。