宝石の王様がダイヤモンドならルビーはさしずめ女王様です。
ルビーの燃えるような赤い色は古今東西、世界中の女性を魅了しています。
炎の宝石、情熱の宝石、とも呼ばれその内部では永遠の炎が燃え続けていると信じられていた時代もありました。
今回はそんなルビーにまつわるお話です。
ルビーとはどんな宝石か?
ルビー
硬度 9
色 赤色
誕生石 7月
石言葉 熱情、威厳、優雅、愛の炎
ルビーの語源はラテン語の「rubeus赤」とされています。
文字通り赤い色の宝石=ルビーです。
ただし赤い宝石をすべてルビーと呼んでいたために、ガーネットやスピネル、トルマリンもルビーとされていた時代もありました。
博物館などにルビーとして展示されているものの中には実はスピネルなどルビー以外の宝石であることも多いのです。
またルビーは旧約聖書にも記述があるほど歴史のある宝石です。
古来よりルビーにはあらゆる困難や厄災から持ち主を守る力が宿っていると信じられてきました。
そのため時の権力者や王侯貴族などが好んで身につけており、現在でも魔除けや幸福を招く石として愛されています。
ルビーの特徴とは?
ルビーの特徴はその赤い色にあります。
ひとくちに赤といっても、淡い赤色から深紅まで様々です。
中でも最高級品とされるのが「ピジョン・ブラッド鳩の血」の名を持つルビーです。
一度見たら忘れられないと言われるほどの深い赤色と透き通るような透明度を持ったルビーです。
ピジョン・ブラッドのほとんどはミャンマーで産出されますが、もともとの産出量が少ないことに加え、ミャンマーの国状が不安定なこともあり大変に希少価値の高いルビーです。
市場にはこの他「ビーフ・ブラッド牛の血」と呼ばれるルビーもあります。
こちらはタイ産で黒みが強い赤色をしており、透明度も低いことからピジョン・ブラッドの半値ほどで取り引きされています。
ルビーの価値とは?
もともと大きな結晶が取れにくいルビーですが、近年では採掘量も激減しているのでその価値はますます高騰しています。
ところでルビーには加熱ルビーと非加熱ルビー(天然石)があります。
ルビーの赤い色を際立たせたり不純物を取り除いたりするために人工的な加熱処理がされたものを加熱ルビーと呼びます。
現在市場に出回っているルビーのほとんどが加熱ルビーとされています。
加熱処理は1960年代から行われていますが、近年では加熱技術の向上から、ますます加熱か非加熱かを見分けるのが難しくなっています。
そういった背景もあることから非加熱のルビーは価値があり高値で取引されます。
中でもミャンマー産のピジョン・ブラッドは非常に希少性が高く驚くほど高値がつきます。
あるオークションでは1カラットあたり1億円以上の価格がついたこともあるほどです。
ルビーの買取相場
ダイヤモンド以外の宝石には明確な評価基準というものが存在しません。
そのためダイヤモンド以外の宝石・カラーストーンの価格は鑑定士の経験、買取店の転売先・販売ルートの有無、などが関係してきます。
つまり買取店によって全く違う査定額がつくのがカラーストーンです。
ルビーの場合は加熱よりも非加熱の石に高値がつきます。
参考までにご紹介しますとルース(裸石)の状態でのルビーの買取価格は1カラットSクラスで50,000円、Aクラスで20,000円、Bクラスで10,000円、Cクラスで4,000円です。
また非加熱ルビーであれば上記の価格×150%となります。