パイロープ?
あまりおなじみではないかもしれませんが実はガーネットの一種です。
ガーネットは宝石の中でも1,2を競うほどカラーバリエーションが豊富です。
パイロープはその中の一つ、赤らしい赤と言いますか炎のような赤色が印象的な人気の高いガーネットです。
それではパイロープを見ていきましょう。
パイロープとはどんな宝石か?
パイロープ | |
硬度 | 7,0~7,5 |
色 | 血赤色~ピンク色 |
誕生石 | 1月(26日) |
石言葉 | 燃えるような愛 |
パイロープの語源はギリシャ語の「pyrope」で燃えるような眼という意味です。
和名は「苦矕柘榴石(くばんざくろいし)」と言います。
ガーネットの中でもこのパイロープはとりわけ人類との歴史が古いようです。
というのも旧約聖書の中に出てくるあの有名な「ノアの方舟」の舳先を照らしていたのはこのパイロープであったというのです。
また古代エジプトのファラオのネックレスにはパイロープがあしらわれていましたし、古代ローマでは印象指輪として用いられていました。
宝石とのかかわりが深いヨーロッパにおいて数多くの宝石の中で最も身に着けられることが多かった宝石はこのパイロープであった、とさえ言われています。
パイロープの価値とは?
パイロープを含むガーネットの最大の魅力は「N・N」であることです。
「N・N」とは「ナチュラル・ナチュラル」のことで生まれも美しさも天然以外のなにものでもない宝石にのみ与えられる呼び名です。
ちなみに生まれが天然でも美しさを出すために人工的な処理をされている宝石のことは「N・T」「ナチュラル・トリ―テッド」と呼び、大半のカラーストーンはここに属します。
パイロープの色味は血赤色~赤よりのピンク色までを指しますが、中でも希少価値が高いとされているのが赤褐色のパイロープです。
この色を持つパイロープは「エスカボークル(炭火のような赤色)」と呼ばれています。
またエスカボークルの産地にちなんで「ボヘミアガーネット」とも呼ばれます。
パイロープとアルマンディン
同じガーネットの仲間であるパイロープとアルマンディンはよく混同されます。
色味としてはピンクよりの赤色がパイロープで紫よりの赤色がアルマンディンと言われますが、色で区別するのは非常に難しいことです。
色よりも確実なのが構成成分による違いです。
パイロープはマグネシウムの含有量が多く、アルマンディンはガーネットの中で鉄分を一番多く含んでいます。
またこのふたつが混合してできた「ロードライトガーネット」という宝石もあります。
*「ロードライトガーネット」は商標名
パイロープの手入れや保管方法
パイロープを含むガーネットは比較的耐久性の高い宝石と言えます。
通常のお手入れは身に着けたら柔らかい布で汚れを拭き取り、汚れがひどい時にはぬるま湯に中性洗剤を混ぜたもので洗います。
超音波洗浄器の使用も大丈夫です。
ただしごく稀にですがガーネットの中でもフラクチャー充填処理をされているものがあります。
その場合、超音波洗浄器は使用せずにぬるま湯の中で手洗いをしましょう。
パイロープの買取相場
パイロープを含めてガーネットは産出量が多く供給も安定していることから市場価値はあまり高くなく金額も低い傾向にあります。
カラット数が大きいか、一緒に施されている他の宝石や土台(地金)の価値により価格に幅が出ます。
0,5カラットで5,000円前後、1,0カラットで10,000円前後というところが相場です。
「宝石買取の世界・パイロープ」のまとめ
いかがでしたか?
つい目を奪われてしまう魅惑の赤色を持つパイロープをご紹介しました。
ガーネットは赤色、と思われがちですが実はカラーバリエーションが豊富で「ない色はない」と言われるほどです。
パイロープの他にも自分好みのガーネットを見つけてみませんか?