アレキサンドライトは別名「変色する宝石の王様」または「神のいたずら」とも呼ばれる魅惑の宝石です。

昼と夜でまったく違う表情を見せる一粒の宝石に多くの人が虜になってきました。

 

それだけに希少性も高く、特に天然石で良質なものになると骨董的な価値をも持つと言われるほどです。

今回はそんな魅惑の宝石アレキサンドライトについてのお話です。

アレキサンドライトとはどんな宝石か?

アレキサンドライト
硬度 8,5
色 緑色
誕生石 6月
石言葉 光栄、高貴、出発、秘めた思い

 

アレキサンドライトが初めて発見されたのは1830年4月29日、ロシアのウラル山脈でのことです。

奇しくもこの日はロシア皇太子の12歳の誕生日だったことから、皇太子の名前であるアレキサンドル2世にちなんでアレキサンドライトと命名されます。

 

ちなみに現在でもロシアではアレキサンドライトを「皇帝の石」と呼んでいます。

当時、ロシアの軍服はアレキサンドライトと同じ緑色と赤色の2色使いだったこともあり身を守る護石としてもアレキサンドライトは大切にされました。

 

そしてその変色する宝石の美しさと希少性から、アレキサンドライトの人気は世界中に広がりました。

アレキサンドライトの特徴とは?

アレキサンドライトは「昼のエメラルド夜のルビー」と例えられるほど、昼と夜で色合いが変化します。

 

自然光や蛍光灯の下では青みがかった暗緑色のものが白熱灯やろうそくの明かりの下では赤みがかった深紅色や紫色に変わります。

このような変色効果を「アレキサンドライト効果」と呼びます。

 

特に暗緑色から赤紫色にはっきりと変色するものが最も理想的なアレキサンドライトとされ高額な価格で取り引きされています。

良質なアレキサンドライトが産出されるのはブラジルですが、ウラル山脈は5カラットを超えるような大粒なものが産出することで有名です。

アレキサンドライトの価値とは?

アレキサンドライトの価値は他の宝石同様に「大きさ」「色」「輝き」「透明度」によって決まりますが、他の宝石と違うのはこれらに「変色性」が加わるということです。

変色性の度合いがはっきりとしているものほど価値が高くなります。

 

この変色性が持つ希少性ゆえにアレキサンドライトには類似品が多く出回っています。

ここで言う類似品とは天然石と遜色がないほど品質がよい「合成・人工」のものではなく「イミテーション・模造品」のことです。

 

日本では1960年代に多くのアレキサンドライトが出回りました。

合成技術が確立されたのが1970年代ですのでこの時に出回ったものはすべてイミテーションだったと推測されます。

 

ところがこのイミテーションのアレキサンドライトは「合成アレキサンドライト」と名づけられていたために今でも混乱を招いています。

お手持ちのアレキサンドライトが天然石なのか?人工石なのか?模造品なのか?詳しくは中央宝石研究所に鑑定をしてもらえます。

*中央宝石研究所 http://www.cgl.co.jp/report/grading_price.html

アレキサンドライトの買取相場

アレキサンドライトは変色効果のはっきりとしたものほど高値がつきます。

ルース(裸石)での1カラットの買取相場はSクラス25,000円

Aクラス15,000円です。

 

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