今回お話しする宝石はタンザナイトです。
実はタンザナイトという名前はアメリカの宝石店ティファニーが名付けた商標名で、正式には「ゾイサイト」と言います。
今ではすっかりタンザナイトという名前が定着しているこの美しい宝石はどのようなものなのか、早速見ていきましょう。
タンザナイトとはどんな宝石か?
タンザナイト
硬度 6~7
色 青紫色
誕生石 12月
石言葉 成功、空想、知性、自己啓発、誇り高き人
タンザナイトが初めて採掘されたのは1967年のことで地元に住むマサイ族の男性が山の斜面で偶然発見した、というのが定説になっています。
初めて発見されてから現在まで、タンザナイトが採れる世界で唯一の場所はタンザニアのキリマンジャロ山南斜面の限られたエリアだけです。
元々の採掘量が少ないことに加え、発見時からわずか数年の間に乱掘されたこともあって、タンザナイトは非常に希少価値の高い宝石です。
現在では採掘量が厳しくコントロールされていることもあり、今後新たに入手するのが難しい宝石とも言えます。
タンザナイトの特徴とは?
タンザナイトの特徴は名前の由来にもなっている青紫色にあります。
タンザナイト=キリマンジャロにかかる夕暮れ時の空の色はいくら眺めていても飽きることがありません。
自然光の下では美しい群青色、白熱灯の下では高貴な紫色、蛍光灯の下では澄んだ青色・・・
という風に見るタイミングによって色が変わって見える多色性があります。
特に日本ではタンザナイトのこの多色性が高く評価されていますし、人気の理由です。
ところでタンザナイトはその独特の青紫色を作り出すためにほぼ100%近く加熱処理がなされています。
また硬度もそれほど高くないので傷つきやすく衝撃に対して非常に弱い性質です。
そのため超音波洗浄機にかけると割れてしまうこともあります。
着用・保管に際しては十分なちゅういが必要です。
タンザナイトの価値とは?
タンザナイトの評価は多色性が強いほど上がります。
特に濃い紫色や濃い青色が現れるものが人気です。
またタンザナイトは世界でたった一つの鉱山でしか採掘できないこともあり、その希少性は宝石の中でも群を抜いていると言えます。
ただし非加熱や非処理といった天然石に価値があるとされる宝石業界では「ティファニー社の戦略によって人気が出た作り物の宝石」という見方も依然としてあること、性質が弱く耐久性が低いこと、などから比較的安価な取引がされていることも事実です。
タンザナイトの買取相場
タンザナイトのルース(裸石)での買取相場です。
やはり他の宝石に比べると安価な印象ですが、色味やカラット数により高価な買取になるケースもあります。
1カラットSクラス5,000円Aクラス3,750円Bクラス2,500円