世界で一番光り輝く宝石とは?と聞かれたらほとんどの人がダイヤモンドと答えるでしょう。
それほどにダイヤモンドの輝きは人々を魅了し続けていますし、宝石の代名詞とも言えます。
ところで今回ご紹介するジルコンはそのダイヤモンドと同じ金剛光沢を持つただひとつの宝石です。
ダイヤモンドの知名度に比べるとあまりにも地味ではありますがその輝きはダイヤモンドと肩を並べられるくらいの宝石なのです。
ともするとダイヤモンドの代用品、というイメージがついてしまっているジルコンですが本当はとても素敵な宝石なのです。
今回はそんなジルコンが主役です。
ジルコンとはどんな宝石か?
ジルコン | |
硬度 | 6,5~7,5 |
色 | 青色、緑色、白色、黄色、金色 |
誕生石 | 12月 |
石言葉 | 夢見る思い、私だけを見つめて |
ジルコンは今現在わかっている限りで「世界で最も古い鉱物」です。
オーストラリア西部ではおよそ44億年前に生成されたジルコンが発見されています。
44億年とはなんとも気の遠くなるような年月ですね。
そのためジルコンは宝石としてだけではなく、地球の成り立ちを知る上でも大変貴重な鉱物として用いられています。
ジルコンの名前の由来はアラビア語の「赤」や古代ペルシア語の「金色」などとされています。
またジルコンは和名では「風信子鉱(ひやしんすこう)」と言います。
44億年もの歴史があるだけに人間とのつきあいも大変古く、古代インドの文献では「カルパ・ツリー」、聖書の中では「火の石」として登場しています。
古代ローマの歴史家はブルージルコンをヒヤシンスの花に例えました。
古代ギリシア時代にはすでに装身具として人気があり、ダイヤモンドよりもジルコンの方が人気があったとも言われています。
また身に着けると知恵・名誉・富をもたらすとされ16世紀のイタリアでジルコンの装身具が流行りました。
しかしながら幸か不幸かダイヤモンドと同じ金剛光沢という性質を持っていたがために、ジルコン自体の美しさよりもダイヤモンドの代用品として有名になっていくのです。
ジルコンの価値とは?
ジルコンはそれ自体が歴史も輝きも素晴らしい宝石であるにも関わらず、その輝きゆえにどうしてもダイヤモンドの代用品のイメージがつきまといます。
ジルコンの産出量がダイヤモンドよりも多いせいもありますが、ジルコンの輝きはダイヤモンドの輝きに引けを取らないということでもありますね。
(ちなみにジルコンの価格はダイヤモンドの100分の1ほどとされています。)
ジルコンが持つファイア(デスパージョン)と呼ばれる輝きの美しさは世界中の愛好家を魅了しています。
ジルコンのカラーバリエーションの中でもカンボジアで採掘されるブルージルコンは最高級品とされています。
またジルコンはカラーによって呼び名が違います。
・赤い色のジルコンはジャシンス
・青い色のジルコンはブルーライト
・黄色い色のジルコンはジャーゴン
ジルコンは加熱することでカラーが変わる性質を持っており、カラージルコンの中にはトリートメントによって色づけされたものもあります。
*トリートメントとは宝石を美しく見せたり耐久性を高めたりするための処理であり、宝石自体の価値は変わりません。
もし天然のカラージルコンを希望の場合は宝石の専門店で鑑定してもらいましょう。
ジルコンとジルコニアとキュービックジルコニア
ジルコンという宝石を語る上で外せないのがジルコニアとキュービックジルコニアです。
よほど宝石が好きな人以外、この3つの違いを正しく理解している人はあまりいないと思われます。
中には言い方が違うだけで3つとも同じ宝石と勘違いをしている人も。
ジルコンは天然の鉱物です。
一方、ジルコニアはジルコンを模倣して作られた人工の鉱石です。
そしてさらにこのジルコニアに他の物質を加えて加工されたものがキュービックジルコニアとなります。
キュービックジルコニアは硬度が8,0~8,5と高い上、ダイヤモンドとそん色のない輝きを持っているのに、1カラット辺りの価格が100円~300円と大変安いのが特徴です。
そのため近年では、大量に市場に出回っています。
キュービックジルコニアは「CZ」と表記されているので容易に見分けがつきますね。
つまりジルコンは天然石、ジルコニアとキュービックジルコニアは人工石ということです。
ジルコンの手入れや保管方法
ジルコンのお手入れで一番気をつけなくてはならないのは日光です。
特に熱処理をされているカラージルコンの場合は、長時間光にさらされると変色や退色、元の色に戻るなどの原因になりますので保管の際には気をつけて下さい。
汚れが気になる場合はぬるま湯に中性洗剤を溶かして優しく洗いましょう。
超音波洗浄器やスチームクリーナーは使用しないで下さい。
洗浄後は柔らかい布などにくるむか専用のジュエリーボックスなどに入れて保管します。
ジルコンの買取相場
ジルコンの中でも人気なのは非加熱のカラージルコンで発色が鮮やかな石です。
加熱されているジルコンでもカラット数が大きいものやカットが美しいものは高値がつきます。
「宝石買取の世界・ジルコン」のまとめ
いかがでしたか?
地球最古の鉱物であり宝石でもあるジルコン。
とかくダイヤモンドの代用品と思われがちですが、歴史も輝きも決してダイヤモンドに負けていない素敵な宝石です。