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  • 毛皮の種類8つの特徴!買取相場も一挙解説!

    毛皮の種類8つの特徴!買取相場も一挙解説!

    私たちの身の回りには多くの毛皮製品がありますよね。

    「毛皮のコートなんて持っていないわ」という人でも、化粧ブラシの2~3本はお持ちのはず。

     

    その毛皮製品、どんな種類のものかご存知ですか?

    毛皮製品の表示にある「毛皮の種類」とは、すなわち「動物の種類」のことをいいます。

     

    お馴染みの毛皮から「この毛皮ってあの動物の毛だったの?」という珍しい毛皮まで、実に様々な種類の毛皮が色々なアイテムに使われています。

    [char no=”1″ char=”スーツ女性1″]今回はそんな毛皮の種類や買取相場をご紹介します。[/char]

    毛皮の種類・名称と元となる動物

    毛皮の種類の前に基本的な毛皮の構造についてお伝えしておきますね。毛皮を語るうえで必ず出てくる用語が「刺し毛」と「綿毛」です。

     

    「刺し毛」は英語でガードヘア、すなわち体を保護している毛のことをいいます。

    弾力性や耐水性、光沢に優れ毛足が長いのが特徴です。

    その動物らしさを表す色彩も刺し毛によるところが大きいといえます。

     

    「綿毛」は英語でアンダーファー、刺し毛の根元に密集していて体温調節をしている毛のことをいいます。

    刺し毛に比べると毛足は短く柔らかい手触りが特徴です。

     

    いい毛皮の条件としては刺し毛と綿毛のバランスがいいことや綿毛が密集していること、手触りがいいこと、などがあげられます。

    毛皮の話には頻繁にこの「刺し毛」と「綿毛」が出てきますのでぜひ覚えて下さいね。

    それでは毛皮の種類を見ていきましょう。

    ミンク

    毛皮の代名詞ともされるミンクはイタチ科の小動物です。

    野生のワイルドミンクと養殖のランチミンクとに大別されますが市場に出ている製品のほとんどは養殖のものです。

     

    毛色も豊富で現在では40色以上もの毛色があります。

    刺し毛は非常に光沢に富んでいて綿毛はシルキーで密集しています。

    耐久性や保温性も高いので衣料用に向いています。

     

    オスの毛に比べてメスの毛は、毛質が細くて手触りも優れているため、高級なコートにはメスの毛が使われています。

    しかし、メスはオスより小型で毛量が少ないため、多くの毛皮を必要とするコートも高額となるのです。

    セーブル

    セーブルはミンクと同じイタチ科の小動物で日本では、クロテンと呼ばれます。

    世界三大毛皮のひとつにも数えられるセーブルは、昔も今も毛皮の最高品質を誇る最高級品であり、最も高価な毛皮ともいえます。

    そのためセーブルは「毛皮の王様」「毛皮の宝石」とも称されています。

     

    刺し毛は5センチほどと長く密集して生えています。

    しかも非常に柔らかくてシルキーな手触りで、光沢やツヤもたっぷりとありながら上品です。耐久性や保温性にも優れています。

     

    ロシア産のロシアンセーブルが有名です。

    その中でも刺し毛に白色の毛が入ったシルバリータイプのセーブルは、マフラーでも百万円以上の価格がつくことも珍しくないという超高級品です。

    ラビット

    世界中で家畜化されているウサギ科の小動物。ラビット、ラパンとも呼ばれます。

    一般的に刺し毛が柔らかく手触りはいいものの耐久性や防寒性、保温性などが低いため価格は比較的に安価です。

     

    しかし毛色も豊富で安価なことから利用範囲は広く様々な製品に加工されています。

    また毛色ごとに白色のシロウサギ、黒色のクロウサギ、ベージュ色のゴールウサギ、各色の混じったブチウサギなどの呼称があります。

    毛色での分類のほかに刺し毛が退化し綿毛だけのレッキス種のウサギや毛足の非常に長いアンゴラ種のウサギなどもいます。

    チンチラ

    ネズミの仲間であるゲッ歯類のチンチラは世界3大毛皮にも数えられる毛皮の最高級品のひとつでもあります。

    元来はアンデス山脈に生息していますが現在は養殖化されたものだけが毛皮に使用されています。

     

    チンチラの特徴はなんといっても、絹糸のような滑らかで柔らかい毛質にあり、刺し毛が退化し綿毛のみが密集しています。

    また皮が薄くてとてもデリケートなため耐久性は低く取り扱いには注意が必要です。

    フォックス

    イヌ科のフォックスはミンクと同じくらい人気の高い毛皮です。

    長い刺し毛が特徴で光沢とボリューム感のある毛皮はコート類からショールなどの小物類まで幅広く使われています。

     

    フォックスには赤ギツネ、北極ギツネ、灰色ギツネなどの野生種もいますが、毛皮製品に使用されているほとんどは養殖ギツネでそのうちの80%ほどが北欧産です。

    フォックスは色味によりシルバーフォックス、ブルーフォックス、レッドフォックスなどに分類されます。

    ラム・ムートン・ウール

    もっともお馴染みの毛皮がこのラム・ムートン・ウールに代表される羊類かもしれません。

    ラムとは生後12か月以内の羊の呼び名、ムートンとはラムが大人になった呼び名、ウールとは羊毛のみの呼び名です。

     

    一般的な動物の毛皮の構成は刺し毛と綿毛からなっていますが、羊は綿毛がなく密集した刺し毛のみの構成になっています。

    品種によって毛の形状が大きく異なり、巻き毛、直毛、縮れ毛、波毛などがあります。

     

    産地によりカルガンラム、チキャンラム、チベットラム、カラクルラムなどの種類があります。

    ムートンは通気性や保温性に非常に優れている毛皮であり、軽量なところも魅力でコートやブーツ、小物類などに幅広く利用されています。

    キャット類

    ネコ科に分類されるリンクスとレオパードの毛皮は毛皮を愛する人なら一度は着てみたいという憧れの高級毛皮です。

    世界三大毛皮のひとつでもあるリンクスは日本名ではオオヤマネコと呼ばれ北米やモンゴル地域に生息しています。

     

    リンクスの最大の特徴はほかの毛皮と異なり腹部の毛がより重用される点です。

    全体的に毛足が長くて非常にシルキーで柔らかい毛質ですが腹部は白くて暗褐色の斑点がより鮮明に浮き出ています。

     

    レオパードは日本名でベンガルヤマネコと呼ばれサバンナや熱帯雨林、砂漠などに生息しているネコ科の動物です。

     

    レオパード柄とは日本でいうヒョウ柄のことで全体的に黄色がかった地色に背中を中心として、黒色の丸もしくは楕円形の斑紋が入っています。

    毛質は短めで柔らかく非常に光沢がありシルクのような手触りです。

     

    レオパードは年々生息数が減少していることもあり種類によってはワシントン条約の対象となっているものもあります。

    ヌートリア

    ヌートリアはゲッ歯類の大型のネズミのことで見た目はカピバラに似ています。

    ふんわりと柔らかくて非常にシルキーな毛質で毛皮の中でも最高級品のひとつです。

    光沢のある太くて硬い刺し毛と密集した柔らかい綿毛のバランスがとても良く耐久性にも優れています。

    加工もしやすいため高級コートやジャケット、帽子など幅広いアイテムで使用されています。

     

    ヌートリアは丈夫で飼育しやすく多産系であるためかつては日本でも軍服用に飼育されていました。

    ミンクに似た毛皮の感触と見た目の高級感に反してヌートリアの価格はとても手頃なのでこれから毛皮を着てみたいという人にもおすすめです。

    毛皮の買取相場

    毛皮の買取相場をひとことでいうのは非常に難しいところです。
    というのも毛皮の買取価格は毛皮の種類やコンディション、生産者団体やブランドの有無、市場の需要、などの要素が関っていて常に一定ではないからです。

    毛皮買取業者の選び方と高額査定のポイント

    一般的な毛皮のコートの場合で2万円~5万円前後、毛皮の種類や状態が良くてブランドものであった場合は10万円~20万円前後といったところです。

    やはり高額査定がつくのはロシアンセーブルの毛皮、続いてサガやエンバの名がついた毛皮などが高額で取引されます。

    リアルファーとフェイクファーの違いとは?

    毛皮の話によく出てくるのがリアルファーとフェイクファーです。

    リアルファーとは動物の毛皮が素材の天然毛皮のことでありフェイクファーとは合成繊維などで作られた合成毛皮のことです。

     

    リアルファーは見た目の美しさや希少性、優れた保温性などがありますが、環境の影響を受けやすくどれほど手入れをしても経年劣化からは逃れられません。

    一方のフェイクファーはリアルファーには出せない色を出せたり、耐久性に優れ手入れも簡単だったりしますが、熱や水分に弱いという点とフェイク=偽物というイメージが製品にも影響してしまうこともあります。

     

    そこで最近ではフェイクファーのことをエコファーと呼ぶようになってきています。

    エコファー

    リアルファーを取り巻く状況は動物保護や環境保護の世界的な広がりなどもあり昔とはずいぶんと変わってきました。

    ファッションブランドの中には脱・リアルファーを意味する「ファーフリー」を宣言するところもあります。

    そこで注目が集まっているのがフェイクファー改めエコファーです。

     

    フェイクという言葉が持つ偽物や真似といったネガティブなイメージではなく、動物保護や環境保護への積極的な取り組みというポジティブなイメージを全面的に打ち出したところから生まれた言葉が「エコファー」です。

     

    ただ言葉を言い換えただけではなく技術の進歩によりより環境にやさしい素材でリアルファーと同じくらいのクオリティを持つ合成毛皮が次々に作られています。

    またエコファーもそれまでのフェイクファー同様に手頃な価格というところも消費者にとって嬉しいポイントです。

    これからは毛皮といえばハイクオリティで低価格なエコファーという時代になるかもしれませんね。

    まとめ

    いかがでしたか?

    毛皮の種類と買取相場などについてご紹介しました。

     

    今回紹介しきれなかった毛皮の種類もまだまだありますがどのような毛皮であっても

    買取に出して高額査定がつくためには毛皮のコンディションがいい状態にあることが絶対条件です。

     

    次回は高額査定につながるためにも重要な毛皮のクリーニングについてお伝えします。